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イース9やりました【ガッバガバの怪人周りの設定と、深く練られた監獄都市の設定の温度差】

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2019年にファルコムから出たアクションRPG、イースIX -Monstrum NOX-です。以下イース9。

(税抜き7800)







ファルコムの名作アクションRPGの最新作です、アクションゲームを作ることに関しては素晴らしい技術を持つファルコム、ゲームとしての快適さや爽快感はしっかり仕上げられています。いやフリじゃないですよ。
ただやはり本作を語る上で無視する事は出来ない閃の軌跡の話も交えるので、その辺はご了承下さい。








・メインシナリオ
結論から言うとテキストやシナリオの質は閃の軌跡からあまり変化していません

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全く同じというワケではないんですけど、それはただ閃と比べてキャラクターが少ないからという点に助けられている部分が多い。

相変わらず誰もが回りくどく難しい言い回しで会話し、「ふふ……」「はは……」「ハン……」「……あ…………」が必要以上に目につく。それはお前が閃やってたから引き摺られてるんだぞ!みたいな事を言われるとちょっと強く反論できないですけど、必要以上に無駄な相槌のメッセージ送りをさせられているのは事実です。
ゼッタイ削ってもいい部分ですもん


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とりあえず本作の概要としては、我らが冒険家アドルさんが監獄都市バルドゥークへやってくれば検問で早々に捕らえられてしまう。
ささっと逃げ出したアドルは逃走中の最中アプリリスという謎の女に突然怪人「赤の王」にさせられてしまう。

怪人としての異能を使いそのまま監獄を脱出したアドルはその後、「夜」と呼ばれる異世界に強制召喚されます。
そこではアドル以外の怪人がおり、アプリリスによると怪人はここで召喚されるたびに魔物と戦えとめちゃくちゃ言われてしまいます。

怪人たちと共に戦い夜を乗り切ったアドルは脱獄囚として指名手配されたため町から出ようとするも、怪人化の呪いとして街に閉じ込められてしまう。

冒険家であるアドルは呪いを解くため、何故か何も教えてくれないアプリリスはほっぽって監獄にもう一度潜り怪人の真実を探りに監獄都市での怪人アドルの戦いが幕を開けます

とまぁ怪人に監獄と盛りだくさんなのですが、正直いって怪人の設定は持て余しています
この監獄都市ではアドルがやってくる怪人が騒がれており、怪人たちは町の兵士たちに追いかけられたりしているのですが
兵士たちに狙われるだけの理由を作った怪人は怪人たちのうち多くて二人だけで、その怪人以外は何もしていないので、そもそもどうして町の人に噂されてるのかとか、なぜ全員の存在が……しかも新入りのアドルの二つ名まで含めてバレているのかとか、疑問が付きません。

ダークヒーローを描きたかったのではとは思いますが、世を忍んでいる感じなのに隠れ家をバーにして人を呼び込んだり、依頼をこなして怪人の評判をあげたり、システム上仕方ないとはい町の中で怪人に変身して能力を使って、町の人に「怪人だぁ……」とか言われたりと、アドルたちの怪人のしてのスタンスが正直よく分かりません。

特に依頼をこなして怪人の評判を良くする、というのは一体なんの目的があるんでしょう、評判がよくなった所で指名手配が解かれるわけでもなく、世論を味方にした所で得る物は何もないんですけど……


本作における怪人は強制召喚されて命がけで戦わせられるだけの、所謂GANTZみたいな設定で、戦いの舞台の夜以外で怪人として動く必要もなければアドルにも最初から戦う力が備わっているので態々怪人になる必要もあまりない。という

まぁ流石に仲間たちが怪人として戦ってくれないと話は進まないんですけど、だったら最初から戦う力をもった人たちという事でも良かったなような気がします。剣と魔法のファンタジーで使うべき設定ではなかった。

怪人化の呪いの解決の仕方も雑の極み、つまりはオチが最悪の一言です。
序盤はこいつらは怪人としてどういうスタンスで動いているんだ……?と疑問になり、よく分からないまま無理矢理大団円にして終わる。という流れで進んでしまいました。


しかし人の世を忍ぶ怪人、巨大で歪な監獄。そして数百年前に起こった戦争やテロリストによるいざこざと設定はもりだくさん。
怪人関連の設定は雑でしたが世界観を作り上げるのは流石のファルコム、丁寧な世界観構築がなされています。

監獄内の設定も中々に面白く、監獄内での話や監獄の秘密に関しては満足のいくお話となっています。
ただそこに怪人の設定が邪魔をする。本当になんだったんた怪人は。



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そんな面白い監獄の設定ですが、例によってワケを知っているキャラがもったいぶって何も説明せず、プレイ時間をたっぷり引き延ばしてくるというシナリオ構成における悪癖が出ています。


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ワケを話してくれないちゃんとした理由があればいいんですけど、どれも今はその時ではない、言葉では伝わらないだろう、自分たちで見た方が早い。とふわっとした理由ばかり。
敵キャラがそう言うのならともかく、味方までこうなのだから始末におえません。

そりゃあワケを話してしまったらストーリーの殆どが終わってしまうんですけど、そうならそうでもう少しやり方っていう物があったのでは……

設定が面白いだけに、展開の仕方が下手なのが残念でならない
変に引き延ばすくらいなら怪人の設定とかも煮詰めてほしかった。


一番面白かったのは物語の黒幕が、人によっては一回二回くらいしか話さないような物語に全然絡んでこないモブっていうのが凄かったです。

あなたは……○○さん!?って仲間たちが驚くのに一切ついて行けませんでした。



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黒幕が出てくるまでは本当に面白かったです、本当ですよ。


あと本作、相変わらずキャラグラフィックは低品質の使いまわしでモーションも硬く、男女のキャラ両方とも同じ男らしい走り方なのが分かった時は思わず腰が抜けてしまいましたが、
なんとムービーシーンになると滑らかにキャラが動きだします。

これが本当に驚きで、ファルコムの作品で初めてこんなに滑らかに動くムービーを見たんじゃないかって思ってしまうくらいの感動です。違和感もあまり感じなかった
ただ、ムービー以外だと途端にキャラがその場でシャカシャカ足踏みしながら振り向いたりするのでギャップに苦しみます。

ムービー以外だとカメラワークも向上しており、いつものキャラが登場するたびにねっとりと舐めるように動くカメラワークや、新しい場所に来るたびに全容をくもじいの視点で見て回るようなクドい演出が無くなり、ねっとりカメラに費やされる時間が大幅に削除。
ちょっとした会話シーンでも映し方が素晴らしいシーンも多く、まさかカメラワークだけ外注してないよね?と疑いを持ってしまうレベル。

これは大きな進化です。願わくば今後もこのカメラクォリティを保ってほしいところですね











ゲームシステム
シナリオが50点だとしたら、ゲームシステムは10000000000点です。

とにかく気持ちよく思った通りに操作出来ます、カメラワークも申し分ない
今作の目玉である怪人としての異能は様々で壁登りや滑空など探索の幅が広がるような物。

ただ探索できる拠点の街はともかく、潜るダンジョンは殆ど地下ばかり。全てが全て同じ内装とというわけではありませんが探索し甲斐があるか……と言われると微妙なところ。
町の探索は楽しいんですけどね、滑空はもう少し長くやらせてほしかった。

ただ問題が一つあり、章の合間合間に監獄内を走り回るパートがあるのですが、そこでの操作がかなり制限されており、やらされることはお使いばかり。
たまにダンジョンに入ったと思うとなんとそこは監視兵やトラップだらけの死にゲーダンジョン。気を付けて進めばどうにかなるが、アクションゲームでそんな事したくはないという

監獄編と本編が混ざり合うシステムは面白い試みなのですが、回数は多いわ長いわでまどろっこしいのは辛いところ。

逆に言うとゲーム部分はそのくらいしか不満はなく、アクションRPGとして完璧と言っていい。
あ、あと画面の文字が死ぬほど小さい。








・キャラ評価
今作、キャラクターは中々良い。いやどれも何処かで……というか過去作や軌跡で見たようなキャラばかりだが。
しかしみんなキャラクターとしての背景が存在しており、戦いの目的がしっかりしている。
…………いや、それは当たり前のことでは!?


アドルさん
我らが赤毛のアドル、だが本作では指名手配されているので髪の毛を青に染めて生活している。
怪人、赤の王として戦う。他の怪人は白猫だ鷹だ牛だと外見イメージにそった名前なのに、アドルさんだけ抽象的。

その赤の王なのだが、コスチュームがクッッッッッッッッッッソダサいぞ

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他の怪人のコスは全然大丈夫です。

性能としては主人公らしく高水準。言う事なし


白猫
発売前の情報や初登場時では文句なしの最高の僕っ子だったのだが、なんと少ししてすぐフツーの無個性敬語キャラになってしまう。
「ぁ……」製造機と化した彼女はただただ進行役として頑張る。

自分の家の金をくすねて貧民街にばら撒くという義賊ごっこをしていた。盗んだ事はばれていないが憲兵などに狙われる。
後にも先にも怪人として目立った行為をしているのは彼女ともう一人だけ。
ちなみに盗んだ分は自分で稼いだ分らしい。

キャラクターとしての強さは凄まじい、一人だけ異様に強い。なんだこいつ




クカカ、という笑い声が口癖で語尾に♥を付けて喋る。どういうキャラ付けなんだ。
怪人の力を手に入れ夜な夜な辻斬りを繰り返すガチガチの犯罪者。

怪人全体が悪だと思われているのは九割方こいつの所為。なんで怪人全員の面が割れてるのかは知らないけど



人形
こいつの設定だけめちゃくちゃ良い、というか主役級の設定持ち。
こいつの物語と言っても過言じゃないくらい物語に関わってる、いや過言かもしれない





彼氏持ち
ただ彼氏がいるだけならまだしも、その彼氏がモブ顔、無個性、特に良いエピソードも無しと来る。
その状態で彼氏に惚気てくるのだからとんでもない。そら惚気られた鷹くんもこんなん言ってしまうよ

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背教者
仲間になるまでが遅いが、遅れを取り戻す様に物語に絡む……本人というか親がだが。
病気で車椅子で移動しているのだが、この町にはバリアフリーのバの字も見当たらないので今までどうやって生活していたんだろう

唯一通常攻撃が飛び道具で、スキルも飛び道具ばかりの遠距離ファイター。
異能の使いどころは正直少なかった。多くても困るけど










・総評
ストーリーに荒はあるものの、アクションは最高です。

とにかくゲームが面白いのでストーリーなんか気にならない。言うてストーリーのガバポイントもちょっとしたツッコミどころみたいなものですからね。話の畳み方は流石にド下手だと言わざるを得ないですけど。

遊んで面白けりゃいいか……の典型的なゲームでした


どうでもいいんですけどアプリリスさんが公式の絵によって男だか女だか分からず、最後までずっと男のアプリリスが出てくるもんだと思い続けてました。最後まで女でした


イース9公式サイト