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√letter ルートレターやりました【性悪チンピラ主人公(33歳)と往く島根恫喝ツアー】

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角川ゲームスから出た、角川ゲームミステリー第一弾

√letterです。







ほえー角川はミステリーゲームに力を入れていくんですね、記念すべき第一作目。上手くいくといいですねクソゲーでした。
敵から送られてきました。

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アドベンチャーゲームは有名どころのゲームを何本かと、プレイ動画かなんかでフリーの物をよく見たりするのですが、ここまで分かりやすくクソゲーアドベンチャーゲームは中々みません。
私てっきりADVはクソゲーに絶対ならないものだと思い込んでました
恵まれた環境で育った事を感謝しないといけませんね。

お母さん、産んでくれてありがとう。私は貴女から授かった貴重な人生をまたクソゲーに使ってしまいました。



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・メインシナリオ
アドベンチャーゲームといったら一番大事なのがシナリオです。シナリオが面白くないアドベンチャーゲームなんて誰が欲しいかって話になりますね。

という事で主人公(33歳)、通称マックスというこの中年男性。
15年前……高校時代のペンフレンド。つまりは文通相手であるヒロインから送られてきた見覚えが無く消印も入っていない未開封の手紙を見つけます。
その内容は、要約すると「私は人を殺してしまいました。さようなら」という不穏な文面。

気になってしまった主人公は、転職直前で一時的に仕事が無く暇なので、文通相手に会う為はるばる島根へと向かいます。

早速ヒロインの住んでいたはずの家まで向かうがそこは15年前に火事で空き地になっていた
そしてヒロインは火事になるとっくの昔に病気で死んでいたという。
これが本当なら主人公は死んだ相手と文通をしていたという事になる、何が何やら分からない主人公はヒロインとの文通で出てきた七人のクラスメイトたちから事情を聞きに行く……というのが本作の概要。


概要だけ見ればまあまあ興味を惹かれるミステリー物として見る事が出来る。
しかしこのゲーム最大の問題なのが、とにかく主人公が暴力的で性格が悪く無礼で他人の気持ちが一ミリも分からないゴミクズという点である。

誰に対しても高圧的で馴れ馴れしく、一般的なモブ相手ならともかく事情を聞かねばならないクラスメイト達に対してとにかく当たりが強く、初手で暴言を吐いてコミュニケーションを取ろうとするので当然のように嫌われ、口を閉ざしてしまう

ほぼ全キャラから嫌われ、激昂され、追い出され何も情報を得られないというパターンが何度もあるのだが、主人公はどうして怒られたか全く分からないといった様子でいる。


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その為、主人公は情報を引きずり出すためにまずはそいつの過去を探り、弱みを握り、弱点を突く為に情報収集すると、お世辞にもプレイ意欲が全くそそられない戦略に出る。毎回出る。

相手が悪者で過去を暴いて弱みを握ることにより物事が解決するのならそれでいいのだが、主人公から見てもプレイヤーから見ても七人のクラスメイトたちは全員善良な一般市民でしかなく、握れるような弱みを握って攻め立てるのは気が引けるというか、やりたくない。



ただ弱みを握ってそれをぶつけるだけならまだいいのだが、それ以外に主人公はとにかく相手の身体的特徴を扱き下ろして精神へダメージを与え、無理矢理口を割らせるという、刑事悪役のドラマか?といわんばかりの口頭テクニックを見せてくる。
身体的特徴を馬鹿にするのは勿論、弱みとなる証拠品を突き付けて「お前、○○なんだろ?」「この事が知られたら困るだろ?」と100%言い逃れが出来ない恫喝をする。


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証拠を集めて相手にそれを突き付け真相に近付く……と言えば聞こえはいいが、真相を知りたい理由は主人公の完全な好奇心で、クラスメイトたちは突然現れた知らない都会の人間に過去を詮索され罵倒まで吐きかけられるといった仕打ちを受けているだけなのである。

そもそも真相とはいうが、ボコボコに罵倒して精神がズタボロになった相手が絞り出すようにポロっとヒントを口にしてしまうといった展開がほぼ毎回起こる

ミステリーゲームと謳っているが、推理をした結果前に進むのではなく1から10まで誰かの失言待ちで物語が進んでいく。

追及し精神をボロボロにしたクラスメイトたちとは何食わぬ顔で主人公は何度も会いに行くのだが、
シナリオ上でも主人公はクズと扱われているため滅茶苦茶に嫌われ敵視される描写がある。

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この点はちょっと面白いが、よく考えたら嫌われるような行動を取る所為で怒ったクラスメイトたちから情報を全く引き出せなくなり、後半になればなるほど嫌われが積み重なり無駄に情報を得るのがドンドン難しくなっていくという始末。

結果クラスメイト達は本当に主人公の事を嫌い避けるように行動するので、目的の人物と出会う為に広い島根を行ったり来たりして探さないといけない。
プレイヤーが主人公の悪行の尻拭いをさせられているのだ


ちなみにエンディングのルートは全部で五つあり、
うち三つがバッドエンド、一つがビターエンド、一つがトゥルーエンドである。

分岐条件としては、各章の頭にヒロインとの文通の内容を思い出し、自分はどんな内容の手紙を送ったかプレイヤーが選択する事によって分岐する。

しかしこの分岐、最終章直前で唐突にルートが確定し分岐する為どれもこれも突拍子がない

今まで普通だったヒロインが急に電波になったり狂ったような文章を送ったり、脅迫してきたり突き放してきたりと意味がわからない。
五つのルートに関係するフラグ程度の小話はちょこっとだけシナリオ中に出てくるが、結局ゲーム終盤に急にルートが確定するため今までの雰囲気全てを完全に変えてしまうレベルの話が多い

なんならヒロインの描写が主人公へ送られてきた手紙くらいしかない為、余計に突拍子の無さが加速する。
描写の無さはそもそもヒロインどころではなくクラスメイトたち全員に言えるが、もうキャラクターの描写は全部クソって事で終わりにしたい。

そして五つのルート、正直いって全部酷いのだが、とりあえずトゥルーエンドのラストについて話すと、とうとう主人公に精神を壊され自殺に追い込まれたキャラを思いとどまらせる……というだけの内容。

思いとどまらせる過程で突然クラスメイトたちが過去を語りだすという意味の分からない内容で、とりあえずそれが全部終わったからヒロインの居場所を探りに、居場所を知ってそうな人の元へ行くかぁ……と向かったら突然目当てのヒロインと偶然出会ってエンドである。
お?????????????


しかしこんなゲームにも褒められる点がある、それは島根の情景描写だ

このゲームは島根と協力体制で作られており、島根各地の実在するスポットが細かく描写されている。
背景の島根の絵も綺麗で数が多く、なんとパンフレットコマンドという島根各地にて使用すると、その場所の観光案内を挟んでくれるという面白いシステムがある。

島根を観光してる時だけ主人公は嫌に淡泊になるため島根の美しい観光地を汚すことはなく、
まるで本当に島根を観光している気分になれた。

文章自体は接合性が取れていないという重大な欠陥があるものの読みやすさはあるのでスイスイと読める。
スイスイと読める所為でシナリオの矛盾がドンドン入ってくるんですけどね




・ゲームシステム
よくあるコマンド選択式のアドベンチャーゲーム。
章の頭でヒロインとの手紙を読み返し、主人公がどんな返事を書いたのか選択する分岐条件にもなる部分を始め、
島根各地を回って証拠品と言う名の弱みをかき集め、手紙に書かれていたメガネ、チビ、ガリ、デブ、サル、ビッチ、親友、というクラスメイトを探し出すというのが基本のゲーム進行。
……いや友達のあだ名酷くない?ヒロインは清楚で優しい性格らしいんですけど、「今日はサルが~」「ビッチが~」とか書いて送ってくるんですよ。ヤバくないですか?
流石に昭和でも友達の事ビッチって呼ばなくないですか?
何故かヒロインだけあだ名無しで呼ばれてるのもアレじゃないですか?
なんなら主人公だけマックスとかいうカッコいいあだ名で呼ばれてるのも小癪じゃないですか?


という私の本音は置いておいて、これら以外に特徴的なシステムとしては追及モードとマックスモードというものがある。

追及モードはその名の通り、クラスメイトたちを追及し情報を引きずり出すモード。
追及モードが始まると、今までしっとりとしたノスタルジックなゲームの雰囲気が一転しデレデレデレデレデレデレデデンデーン!と、まるでクイズバラエティ番組のようなけたたましいSEとともに、これまたクイズ番組のシンキングタイムのような緊迫したBGMが流れ始める。
これがマジでゲームの雰囲気にあっていない。急にバトルが始まったかのようにスピード感で攻めてくる。

追及モードという大層な名前に反してプレイヤーがやる事はぶっちゃけ探索時のコマンド選択と変わらない。
変わる事といったら、五度選択を間違えると追及モードの最初からやり直させられるというただ面倒なだけのモードである。
あと本当にうるさい。


もう一つがマックスモード、内容は簡単。「大きな声で怒鳴りつける」モードである。
本当だよ、本当にこのシステム自体が理屈が通じない相手を思いっきり怒鳴りつけて無理矢理口を割らせるというのが目的のモードだよ。マジでヤバいね。

後はまぁコマンド式ADVらしく、その場その場の状況色々なコマンドが選べたりする。
しかし何を選んでも物語が進む為の選択肢以外は内容が淡泊で面白味がなく、選ぶ価値が無い。

後はよくある調べるコマンド、画面の怪しい場所を調べたりする例のヤツです。
島根の実在するスポットが出てくるという事で、それらをガンガン調べていきたいわけですが、主人公の反応がこれまた事務的で薄っぺらい。

折角調べてるのに「これは○○だ」とか「車が止まっている」程度の一言しか発さず、ウザキャラ(好意的な解釈)である主人公の良さが全く活かされていない。
全ての調べるスポットでやらなくていいから、一つや二つ寸劇くらいいれてほしかった……

コマンド式ADVとしてはとにかく遊び心がなく、プレイヤーの選択の幅も狭い。
ただただ文章を読み進めていくだけのゲームとなっている。




画面描写の鮮やかな演出はそこそこ面白く、挑戦的で見やすいので飽きはしなかった
UIも悪い方ではなく、周回も章スキップ機能がある為割かし楽であった。バグがあったけど





・総評
とにかく全体的にキャラクター描写は雑で、シナリオ展開もワンパターン。物語の接合性も取れておらずミステリーとしては全く面白くないゲーム
ここに主人公の最悪な言動も加わり完全なクソゲーと昇華したのであった。


島根観光ゲーとして割り切ればまぁ……
島根は良い所だなぁ、ってなったので島根県さんの一人勝ちです。やったね。


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